特権的アクセス権を持つ従業員のセキュリティは本当に安全か
2022年11月4日、Tilly Travers
企業のネットワークや情報に対するユーザーのアクセスを保護することは、ITセキュリティチームにとってかつてなく難しくなっています。
職場環境のデジタル化、ハイブリッド化、クラウド化が進み、企業ネットワークへの接続を希望するデバイスの数と範囲は急増しています。このような複雑な状況では、ネットワーク内で何が起こっているのか、誰が何の目的で何に対するアクセス権を持っているのかを把握することは困難です。
全域にアクセスが必要か
従業員のアクセスニーズはさまざまです。たとえばIT管理者は、ネットワークの隅々までアクセスできる高レベルのアクセス権や特権的なアクセスを必要とします。こうした特権的アクセスをもつユーザーはサイバー攻撃者の格好の標的となります。特にセキュリティリスクが高まるのは、特権ユーザーがネットワークにリモートからアクセスしようとしている場合です。
組織全体の特権アクセスレベルの管理は、ビジネス上非常に重要です。Identity Defined Security Alliance(IDSA)が2022年に行った調査では、特権の管理が不十分だったことが原因で、3分の1以上(36%)の組織でセキュリティ侵害が発生したことが判明しました。さらに、21%が過剰な特権がインサイダー攻撃につながったと回答しています。
特権的なアクセスを守る
問題は、ユーザーがネットワークやデータ、システムに特権的にアクセスできることではありません。セキュリティに穴があり、そこからサイバー攻撃者が特権的アカウントを制御し、その特権を悪用することで発生するのです。
攻撃者がたとえばソーシャルエンジニアリングを使って認証情報を盗んでアカウントにアクセスできるようになると、そのユーザーがアクセスできるすべてのものに攻撃者もアクセスできるようになります。もしそれが特権的アクセス権を持つユーザーであれば、機密データや重要なシステムにまで攻撃者がアクセスできるようになる可能性があります。
最初は誰にも気づかないケースが少なくありません。攻撃者は、ネットワークへの無制限のアクセス、横方向への移動、追加ツールのダウンロードとインストール、さらなるマシンの侵害など、やがてランサムウェアやマルウェアで大きな損害を与えようとします。そのころになってようやく、セキュリティチームが侵入者に気づいて介入するのです。
特権的アクセスを悪用したサイバー攻撃は防げる
ゼロトラスト・ネットワークアクセス(ZTNA)は、従業員が業務に必要な資産やシステムにのみアクセスすることを原則とするものです。そのため、仮に攻撃者がアカウントに侵入できたとしても、そのユーザーがアクセスできる範囲は限定的です。つまり、何よりもまず、特権的アクセスはそれが本当に必要な人にだけ与えられるのです。
しかし、ZTNAはさらに一歩踏み込みます。アクセス権の有無にかかわらず、あらゆる従業員がセキュリティリスクそのものであるととらえます。というのも攻撃者は、いったんアカウントの侵害に成功してネットワークに侵入すると、そこからしばしば特権を昇格させようとしたり、管理者レベルの権限を手に入れようとさまざまな行動をとったりします。つまりZTNAとは、ネットワークにアクセスするすべてのユーザーとデバイスを継続的に検証することなのです。
ゼロトラストは、革新的なセキュリティ技術と従業員の意識向上とトレーニング(効果的なパスワードの衛生管理法、潜在的な脅威の発見方法、それに対する対処法など)を組み合わせたアプローチであり、哲学です。何も信用せず、すべてを検証するというゼロトラストの大前提があれば、ビジネスの最も重要な部分にアクセスする権利を持っている人になりすましたものや人から、組織は自らを守れるのです。
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原文はこちら
How secure are your privileged access employees?
November 4, 2022 Tilly Travers
https://blog.barracuda.com/2022/11/04/how-secure-are-your-privileged-access-employees/
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