徳風幼稚園様導入事例 〜園のICT化に伴い増加するデータの管理、ならびにセキュリティ/ランサムウェア対策としてBarracuda Backupを導入〜
徳風幼稚園は、大正9年4月に設立され、今年で100年をむかえる歴史のある幼稚園です。京都の西別院の系列である本願寺富山別院と併設しており、就学前の児童の心の教育を重視して創立されました。現在、0歳児から5歳児まで5学年の215名の園児と、40名のスタッフ(教員を含む)を抱え、県内でも大規模な幼稚園となっています。今回は、学校法人本願寺学園 認定こども園 徳風幼稚園 副園長の井上春枝先生に、バラクーダバックアップ製品「Barracuda Backup 190」の導入とその効果について聞きました。
(右から)徳風幼稚園 副園長の井上春枝先生とキヤノンS&S富山営業所の上田俊輔さん
Q.バラクーダ製品を、どのような経緯で導入されましたか?
当園では、多くのお子さんを預かっています。園のICT化に伴い、扱うデータの量は年々増加していますし、セキュリティはとても大事だと考えています。園児の名簿や、ご家庭の状況、各家庭とのやりとり、園児の写真、先生の業務内容など、大切なデータを多く抱えていますので、そういった大事な情報が流失したら大変なことになってしまいます。その上で、やはりここはきちんとした管理、保存ができるように設備を整える必要があると考えまして、キヤノンシステムアンドサポート株式会社 富山営業所(以下、キヤノンS&S)の上田俊輔さんにご相談の上、バラクーダの製品を2017年に導入いたしました。
Q.バラクーダ製品を導入した理由について、教えてください。
まず、やはり増加するデータの管理ということが挙げられます。当園では、各ご家庭とのやりとりについて、皆さんにメールアドレスを登録していただいて、送付するという方法をとっています。もちろん、手紙が一番なのですが、やはり非常時などはメールが一番となります。また、ASPサービスを活用して、職員の勤務管理や、親御さんの入退室等についてもIT化しています。さらには、スクールバスの管理もIT化しておりまして、バスが雨によって遅れたり、富山は雪が多いものですから、雪によって遅れたりといった際にも、親御さんとお子さんに寒い中お待ちいただくことのないように、メールで伝達できるようにしています。そのように、便利になる一方で、扱うデータの量は増加していますので、それを適切に管理する方法が必要でした。
次に、BCP対策です。富山は、大きな災害がほとんどありませんが、世界の状況をみていると、突発的な災害を想定することは重要だと考えています。自然災害の被害は年々大きくなっておりますし、当園としては何よりも園児の安全を重視していますので、今後は、そういった対策についても力を入れる必要があるということを考えました。
最後に大変重要なのは、セキュリティへの意識の高まりとランサムウェア対策です。2017年当時、ランサムウェアが非常に流行していました。例えば、当園では、お子さんの写真についても、入園される時にどこまで顔を出して良いか、例えば親御さんのみ閲覧可能なウェブサイトへの掲載までOKか、または外部からも閲覧できる園のホームページへも掲載可能なのかなど、細かく確認をとっています。それぐらい、親御さんのセキュリティ意識も高まっておりますし、当園としても100年の伝統を持つ園として、やはり安全性は第一に考えております。バラクーダの製品はその点で、強固に作られていて、ランサムウェアからも防御されるとわかりましたので、導入に至りました。
Q.導入後は、どのような点を評価されていますか?
まずは、多くのデータを安全にバックアップできている点を評価しています。また、
キヤノンS&Sさんの協力を得て、何かあった場合は、同社のサポートの方にアラートメールが飛ぶように設定しています。このため、当園としてはバックアップがとれているかとれていないかを常に気にしている必要はありません。それによって、特別な作業を行わなくとも、本業の方に専念することができますので、この点は有り難いです。また、保護者の方にはそういった裏側のことは見えませんが、セキュリティ面でも安心できますので、自信を持って大切なデータをお預かりすることができます。
Q.特に今年は、新型コロナパンデミックの影響が大きかったと思いますがいかがでしょうか?
当園もその影響で、4月5月は、医療関係者のお子さん等の一部のお子さんを除いて、休園としていました。休園中は、Eメールで各家庭にお手紙をお送りしたり、「こんなことをお家でされてみてはどうですか?」と言った提案をしてみたりしましたので、通常よりかなり頻繁にインターネット上でのやりとりを行っていました。6月以降も、密にならないように分散登園を行っていましたので、そういったスケジュールの管理もコンピュータ上で行っていました。
Q.徳風幼稚園では、先生方の働き方改革においてITをどのように活用していますか?
園では、「園だより」、「クラスだより」をはじめとし、その他にも多くのお手紙があります。もちろん、昔はそういったものを手書きで行っていましたが、今はパソコンを多く活用し、お手紙を出す頻度を損なうことなく、作業の効率化をしています。各先生に一台ずつとまでは難しいですが、各学年一台ずつパソコンを用意しています。さらに、お手紙を出す日を、各学年分散しながら、なるべく多くの先生がパソコンを触ることができるようにしています。また、これまでは、職員室を含む一部にしかWi-Fi環境がありませんでしたが、パソコンを増やすのと当時に、セキュリティを強化するために、園内どこにいても先生がインターネット等を使えるように、園内のICT化を進めました。
もちろん、教育の側面からは、ICT化が進んだとしても、人と人との触れ合いを大事にしたいと考えています。小さい子どもの時期に、先生と子ども、子ども同士の触れ合いを多く持つことが基本だと考えています。喧嘩しても、仲良くしても、触れ合いを繰り返しながら、相手の気持ちを理解し成長することが土台で、これによって、年齢が上がってもこれを土台に成長が積み重なっていきます。先生の業務を効率化する分、こういった時間をより大事にしていきたいです。
Q.今後バラクーダ製品に期待する事はありますか?
コロナ禍においても、行事で子どもたちが育つ部分も大きいと思うので、行事を大事にしています。もちろん、運動会や生活発表会など、人が密にならないように工夫をしながら行っています。「発表会の前日まではこんなことをしました」など、お子さんの様子がわかるように、クラスごとに保護者の方にメールでお知らせしたり、分散して行事を行うために連絡事項も多くなったりしますので、ますますパソコンは欠かせないものとなり、データの量は増えています。
幸いにも、現在、バラクーダ製品を導入したことにより、BCP対策や、ランサムウェア等へのセキュリティ対策ができています。しかしながら、上述の通り、園の中での重要なデータが日々増えており、容量は足りなくなってきています。それにより、今後はより容量の大きな製品が必要になることが予想されますので、製品を交換するといった必要が生じた場合にも、より強固なセキュリティとバックアップが確保できるように進化していることを望みます。